私の頭のナカミ

皆さんに気づきや共感を与え、エネルギーを配達していきます!

井上尚弥の強さ

いまやボクシングファンであれば誰もが知る井上尚弥の強さについて書きたいと思います。

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戦績:17戦17勝(15KO)

経歴:

元WBCライトフライ級王者

元WBOスーパーフライ級王者

現WBAバンダム級王者

世界3階級制覇王者

 

愛称は「Monster」

実績だけ見ても十二分にモンスターですが、何よりもその圧倒的な強さで相手を華麗に、そして一方的に殴り倒すファイトスタイルが、モンスターというニックネームで彼を世界中のボクシングファンに知らしめている由縁だと思います。

 

WBSSの準々決勝で元スーパー王者を一撃でノックアウトした試合は、米リング誌のKOオブ・ザ・イヤーに選出されたことを皮切りに、世界中のボクシング雑誌で表紙を飾り、モンスターの名を世界中に轟かせ続けています。

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リング誌 表紙

 


今や軽量級ボクシングのスターとして注目されている、彼の強さの秘密は一体なんなのでしょう。元プロボクサーでもある私が分析してみました。

他のトップボクサーと比較して、大きくは3つあると私は考えています。

 

1、相手選手の観察力

 

井上選手は相手の動き、相手との距離感を測るのが非常に早く、正確だと考えています。

ボクシングは井上選手自身でも言っているように、事前にいくら映像で見ても、実際に向き合わないと相手の正確な力量は分かりません。

対戦相手によって、その選手のファイトスタイルは違ってきますし、当日のコンディションによっても動きは違ってきますから当然と言えば当然ですね。

 

井上選手は他の選手と比べて、欧米ではボクシングIQとも呼ばれている相手を見切る能力がずば抜けています。

 

相手の動きを意識的にも、本能的に、見抜く事ができるので、相手のパンチをいなし、華麗なカウンターをバシバシ決める事を可能にする1つの要因となるのです。

 

2、パンチのバリエーション多さ

 

このバリエーションの多さというのは、フック、ストレート、アッパーという単純なものではありません。

彼は、近距離〜遠距離のあいだで、各パンチをあらゆる角度から、強くそして、ジャストな距離で打つ事ができます。普段の練習から意識していないとこうは打つ事ができません。

 

パンチがあらゆる角度、しかもどれもハードショットで打ち出されるので、相手にとっては堪ったものではありません。

ボクシングのパンチは拳が出はじめてから避ける事は、不可能です。あの天才ロマチェンコでさえも、拳が動き始める前の、拳の角度や、肩の動きなどを見て、予測して避けています。

井上選手は、同じように見えるパンチでも毎回打つ角度を変えてくるので、相手はガードをしきることができません。

ガードで防御するのではなく、距離感ではずさないと、井上選手のパンチは絶対に防ぎきれないでしょう。

 

3、フィジカルの強靭さ

 

はい、間違いなくこれが井上選手の最も強力な武器で、彼をスペシャルな存在にしている一番重要な能力でしょう。

その強靭な体幹がまさにパンチ力だけならPFP1位とも言われる驚異的なパンチ力を生み出しています。またその強靭さはスタミナも含んでいます。強力なパンチが1Rから最終Rまで打つことができます。

 

そして上述した「相手を見切った上で対応する」「どんな姿勢からでも、あらゆる角度、距離から強力なパンチを繰り出せる」は、また体幹の強さが無いと実践できません。

 

相手を見切っても躱せない、同じスピードで動けないからカウンターがとれない。後半になると出来ていたことができなくなる。

色んな角度からパンチは出せても、強く打てないパンチがある、または姿勢によっては強く打てない、打ったあとバランスが崩れる。

それだと全く意味がありません。

 

私ボクシングはフィジカル大正義のスポーツだと考えています。私も選手を経験して、ボクシングで最も重要なのは陸上競技に求められるような、純粋な体の強さ、筋肉の持久力だと実感しました。

 

じゃあ誰でも井上選手並みのトレーニングをすれば、あんなに強くなれるのか。そう簡単な話ではありません。人は生まれつきの骨格により、どこの筋肉(脚なのか、腕なのか)が発達しやすいしにくいなどがあり、よっぽど幼少期から意識しない限りはバランスよくつけることは難しいです。

 

また人によって遅筋(持続性の筋肉)、速筋(瞬発系の筋肉)のつきやすさも異なります。

 

ボクシングは相手と同じウェイトで、試合をしなければなりません。したがって、筋肉のバランスは非常に重要です。

よく言われるのが、脚に筋肉がつきやすく、太いタイプはボクシング選手は不利です。また遅筋が多すぎるのも不利になります。

 

井上選手は、彼の骨格に対する筋肉のつき方が完璧なのです。完全にボクシング用の身体にチューンアップされているのです。

それは天からの授かりものでもありますし、彼のトレーナーであり父である幼少期からのトレーニングが素晴らしかったんだと強く思います。

 

 

長々と書いてしまいましたが、いかがだったでしょうか。

井上選手はもちろん他の選手より優れている所は他にもあり、むしろ全てにおいて優れているのですが特に私が優れていると感じたのは上記3つの能力になります。

 

今回の記事を見てご意見、感想等あれば頂戴できると幸いです!

 

彼の今後の益々の活躍が楽しみで仕方ありませんね!

また井上選手については書きたいと思いますので、乞うご期待!